「はかる」をもっと簡単に。
糖度と酸度を同時に、だれでも簡単にスピード測定
~かんきつ果汁用 卓上型糖酸度計~
冬によく食べるみかん、みなさんの手に届く前に産地の選果場(JAなど)で、光センサーという検査装置を使って、果実ひとつひとつの甘さや酸っぱさを非破壊で全量検査していることをご存じでしょうか? SAIKAは約30年前に光センサーを開発し、全国の選果場に1000台以上を導入してきました。その装置は、今も現役で活躍しています。
選果場では、光センサーでみかんの品質をチェックし、基準をクリアしたものを皆さんのもとへ届けています。とびきり甘いみかんは贈答用など高級品として販売することも。
また、検査結果の良し悪しに応じて農家さんが受け取る対価が変わります。このように、光センサーは非常に重要な役割を担っているため、「正確に検査する」ことが求められます。これが非常に難しい。検査対象が工場で作られているような均一な工業製品であればいいのですが、相手は自然の中で育ったみかんです。気候や栽培環境の影響を受けるため、果皮の厚さや水分量など、果実の状態が常に変化します。正確に検査するためには年ごとのみかんの特徴をしっかり把握し、それに合わせて装置をチューニングすることが大切です。
実はこのチューニングに使う「みかんの特徴を把握するデータ収集」がとっても大変です。
具体的には、みかんを一つずつ絞って果汁にします。その後、糖度計で甘さを測ったり、果汁を薄め、試薬を加えて酸っぱさを測ったりと複雑ですごく面倒。
SAIKAは光センサーを開発、製造販売している会社なので、同じようなデータ収集を毎年行っています。シーズン最盛期には1日に300個を超えるみかんを測ることも。作業自体が面倒なことに加えて、危険な試薬を使わないといけません。また、目視で判断する工程もあるため、人による差が出てしまいます。



作業を担当しているメンバーからは「これ、もっと簡単にできないの??」という切実な声が上がっていました。なにか良い方法はないか調べたものの、「これ!」というものがなかなか見つからない。ならば、いっそ自分たちで作ってみよう!と開発がスタートしました。目指したのは 糖度と酸度を同時に、だれでも簡単にすぐ測れる こと。
構想から試作、改良を重ね …… ついに、プロトタイプが完成しました!!


果汁を濾して、セットするだけ。
たったの2ステップで
糖度と酸度を同時に、だれでも、すぐに測ることができる。
危険な試薬もいらない!面倒な希釈もいらない!でも、測定精度は従来の「屈折法」「中和滴定法」と遜色ないレベルを実現しました。
実際に社内で使ってもらうと・・・
・糖度と酸度が同時にできるので、作業時間が短くなった!
・特に、酸度の測定作業が楽!
滴定の色の変化が見づらく人によって判断に差があったけど、その作業がなくなった
危険な試薬(水酸化ナトリウム:劇物)を使わないので安心
・測定時に使用する器具の洗い物が少なくなった!
など、うれしいフィードバックをもらい、さっそく今年の柑橘シーズンから社内運用が正式に採用されました!
製品化している技術ではありませんが、
社内作業の省力化にとどまらず、柑橘産地の選果場で毎年実施されている生育調査や果樹試験場などの研究施設で活用してもらえる可能性を感じています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください!